東京都ビジネスサービス株式会社

JCSSAの会員企業と一緒にIT業界全体にダイバーシティ&インクルージョンを浸透させたい

東京都ビジネスサービス株式会社
代表取締役社長  根津 史明 様
DE&I 戦略推進室 DE&I推進グループ グループ長 小泉 茉由 様
インタビュアー:JCSSAコミュニティ委員会委員
エムオーテックス株式会社 代表取締役社長 宮崎 吉朗
トレンドマイクロ株式会社 営業推進部長 佐藤 弥生
(訪問日:2024年2月8日)

・インタビュー動画(3分36秒)

 


JCSSAコミュニティ委員会がリレー形式で新規会員企業を紹介する「会員インタビュー」。第六回目は、東京都第三セクター企業としてBPO事業やITサポート・サービス、さらには障がい者雇用コンサルティングを展開されている、東京都ビジネスサービス株式会社 代表取締役社長 根津 史明 氏と、同社 DE&I戦略推進室 DE&I推進グループ グループ長 小泉 茉由 氏にお話を伺いました。
IT企業は、 全業種の中でも障がい者雇用率が最低であるという実情があります。 ※障害者雇用促進法定める民間企業の法定雇用率:2.3%以上と比較して、IT・通信業の雇用率は1.91%(2023年12月時点/出典:厚生労働省 令和5年 障害者雇用状況の集計結果より) 。本来はIT企業が、持ち前のIT技術を駆使して、ダイバーシティ&インクルージョン実現の先駆者となるべきところ、現実にはまだまだという状況です。
今回のインタビューでは、まさにダイバーシティ・インクルージョンを実現され、黒字化も達成されている、根津社長の熱い思い をお伺いできました。インタビューを通じ、改めてJCSSAの会員企業様とともに、日本中でダイバーシティ・インクルージョンを推進、実現していきたいと感じました。


<インタビュー目次>
東京都ビジネスサービス株式会社様の事業紹介
東京都ビジネスサービス株式会社様の事業紹介
JCSSAへの入会の経緯
JCSSAの委員会に参加しての活動
JCSSAに入会して良かった点


東京都ビジネスサービス様の事業: ITで企業を支えるBPOサービス

■JJCSSA:本日はお時間をいただき、ありがとうございます。貴社の事業に関して教えていただけますでしょうか?

■根津氏(写真左):東京都第三セクター2号企業としてスタートし、第三セクター関連の法律の特例で継続している会社として最も古い企業です。
社会の変化、ITの進化にあわせ、デジタル活用に必要な技術や情報を取得し、今ではITで企業を支えるBPO サービスへと発展しています。その中で、企業のIT業務、オフィスワークを支える人材支援を開始し、企業のプロダクトやサービス向上を支援しています。
また、障がいのある当事者の方々、そのような方を受け入れる企業、双方へさまざまなサービスを展開しています。企業向けとしては、障がい者雇用に関連する課題解決のためのセミナー運営や支援、個人向けとしては、障がいのある方の一般企業への就職や就労継続をサポートする就労移行支援サービスのほか、自立訓練や復職支援も行っています。
さらに、難病や一人親家庭といった就労に困難を抱える方々が、他の従業員と共に働いていくための環境づくりを行う社会事業であるソーシャルファームも、東京都の認証に基づき 設立・運営しております。

 

ITを通して、障がい者の方の働きやすさを支援・推進

■JCSSA:本日は実際にオフィスに訪問させていただいておりますが、受付のところから、様々なユニークな取り組みを行なわれておられますね。貴社の障がい者の方も一緒に活躍できるITの仕掛けについて教えてください。

■根津氏:2024年4月から「障害 者差別解消法」という法律が施行されます。事業者による障がいがある方への合理的配慮の提供は、以前は努力義務にとどまっていましたが、今後は法的義務となり、企業は対応できるようにしていかなければなりません。
例えば、サイネージやQRコードなど、障がい者の方によっては取得できない情報を見える化していくことが挙げられます。このような場合、企業側はあらかじめ電子メモパッドを1つ用意しておくだけで、簡単に障がいをお持ちの方と円滑なコミュニケーションを取れ
るようになります。こういった配慮・環境作りが非常に大切であると同時に、合理的配慮とは1つ1つが簡単なことで、すぐに準備ができるということを、さまざまな企業にご案内しています。
 また、障がいをお持ちの方を雇用するだけでなく、採用後に定着し、雇用先で成長・活躍していただけるよう総合的なコンサルティングサービスを提供しています。具体的には、研修動画配信サービスや、アセスメントサービス、スタートアップ通信サービスなどがあります。


JCSSAへの入会の経緯

■JCSSA:JCSSAへの入会の経緯を教えてください。

■根津氏:東京都ビジネスサービスとしては、JCSSAに加入して2年が経ちました。また私自身は親会社時代からのご縁があり、既にJCSSAに入会して12年目となり、サポートサービス委員会にも参加しております。

 


JCSSAの委員会活動 ― 業界全体に貢献する取り組みを通し、会社を越えた一体感

■JCSSA:根津さまも、小泉さまも委員会に参加されていらっしゃいますが、ご感想をお伺いできますでしょうか?

■根津氏:競合・同業企業の参加がありながらも、これだけフラットに皆さんが関わりを持たれていることに感銘を受けました。また、錚々たる経営者の方々が、自社のビジネスに直結するだけではない、業界全体に貢献する取り組みに対し、こんなに活動されていることにも大変驚きました。
立場のある方々までもが、JCSSAの会合に参加し、宿題に対しても無償で一所懸命に取り組み、作り上げていくという一体感は、私にとってもダイバーシティ・インクルージョンの仕事をする中で、非常に大きな意識転換のきっかけとなりました。


■小泉氏:私は人材育成委員会に参加しています。そこでは多くのIT企業の方や、特に人事や人材育成に関わっている皆さんと交流しています。
障がい者雇用だけでなく、高齢者雇用や法改正といったところでも皆様とディスカッションさせていただいており、IT企業全体としてダイバーシティ・インクルージョンや人材育成の底上げになっていることを感じます。まだまだ勉強中の身ですが、私自身も活動に貢献していきたいと考えています。

 
 
 
 
 
 
 


JCSSAに入会して良かった点 ― 多様な関係者との交流や、旬な情報の学び

■JCSSA:JCSSAに加入して良かったことをお聞かせください。
■根津氏:情報交換会や大きなパーティーに参加させていただくと、本当にいろいろな方とお話ができます。
このような場の熱気に触れ、理事の方々が交流されていらっしゃる姿を拝見する機会を持つことができるのは、非常に重要なポイントです。JCSSAを活用される企業にとって、とてもプラスになっていると思います。

■小泉氏:
私は今年度初めて参加させていただきました。人材育成委員会は数か月に1回の開催ですが、その度にタイムリーな旬な情報を得られ、貴重な機会になっています。また、懇親会で参加企業の皆様のバラエティに富んだご経験を伺えることが、自身の糧になっていると感じます。

■JCSSA:最後に、JCSSAへの加入を検討されている企業様に向けてメッセージをお願いします。

■根津氏:弊社はJCSSA参加 2年目という企業ですが、IT企業という側面もありながら、障がい者の方が社会で活躍できるようお手伝いをする、といった使命を持った会社です。現在社員数は600名、そのうち、障がいを持っている社員は130名おります。さまざまな社員とともに、主に開発支援サービスや、企業の障がい者雇用のご支援、といった事業を行なっています。
JCSSAはさまざまな企業が参加されている団体で、委員会・情報交換会・懇親会などで、多様なご経験をされている皆様のご体験を伺い、ざっくばらんにお話できることは大変貴重な機会です。

 
▼会社紹介動画(6分43秒)